こんばちわ!
今週は血統コラムの第6弾です!夏競馬の間の隔週企画にはなると思いますが、第1~5弾に引き続きお付き合いの程よろしくお願い致します❕
今週はマインドユアビスケッツについて触れて行きたいと思います。自身の現役時代にはドバイゴールデンシャヒーンを連覇する等、ダートの本場アメリカなどにて短距離を中心に活躍していましたが、産駒はダートの本場アメリカでクラシックディスタンスで活躍したり、芝の中距離重賞を制する馬も出るなど、幅広く活躍をしている。今一度傾向などを整理する意味でも触れておきたい種牡馬です。
それでは今週もよろしくお願い致します❕🔥
✅マインドユアビスケッツ産駒 基本情報
着順 ( 64-66-48-777)
勝率 64勝 / 955レース = 6.7%
連対率 130連対 / 955レース = 13.6%
単勝回収率 94110円 / 955レース = 98%
8/20現在
父が独特なパワーを助長するVice Regent系のPosse、母父が同じくVice Regent系のToccetという配合。祖母が米国牝系のAlljazzで、近親には米G1のエイコーンSを制しているサーチリザルツがいる良血馬です。
Vice Regentの後継に当たるDeputy Ministerの3×4を持つ。更に、父と母父父が共にDeputy Minister×Blushing Groom(系)と言う組み合わせの並びになっている。(Posse≒Awesome Again)また、父と母がそこにHail to Reasonを巻き込んだような形になっている為、父と母で相似クロスに近いような形になっている。
総じて、やや強めのインブリードやニアリークロスからくる前向きなスピードや闘争心に加え、随所にあるパワーが特徴になる血統構成と言えるでしょう。
現役時代はドバイゴールデンシャヒーン(ダ1200m・G1)を連覇など、主に米国などを中心にダートの短距離で活躍。現役最終戦としてBCクラシック(2000m)にも挑戦しましたが11着に敗戦し、このレースを最後に引退し種牡馬入りし日本へ供用される事となった。
重賞勝ちなどの実績は中央ではまだ浅く、ホウオウビスケッツが函館記念を制したのみですが、同馬は日本ダービーで0,2差の6着と上位に食い込んでおり主流条件の日本最高峰クラスのレースでも通用する素質を種牡馬として見せている。
更にデルマソトガケが交流G1の全日本2歳優駿やドバイのUAEダービーを勝利し、BCクラシックを2着と海外でも通用する血統である事を証明している。
今後の活躍も期待できる種牡馬だろうと感じます。
また、Vice Regent系の種牡馬と言うとフレンチデピュティ~クロフネのイメージが強いのでマイナーな印象は無いかと思いますが、実は父系としては前述したクロフネくらいしか活躍馬がいなく、非常に貴重な存在と言える。
今後このVice Regentという系統が再び日本で栄えるかどうかも担う種牡馬と言えるでしょう。
✅マインドユアビスケッツ産駒 各種データ
・芝orダート?
🔵芝成績
着順 (18-15-12-207)
勝率 18勝 / 252レース = 7.1%
連対率 33連対 / 252レース = 13.1%
単勝回収率 30250円 / 252レース = 120%
🔴ダート成績
着順 ( 46-49-36-562)
勝率 46勝 / 693レース = 6.6%
連対率 95連対 / 693レース = 13.7%
単勝回収率 63860円 / 693レース = 92%
芝とダートの数字比較ではほぼ差は出なかった。微妙に芝の方が勝率と単勝回収率が上回っていますが、ほぼ平均値と変わない水準の数値になっている。
マインドユアビスケッツ自身の現役時代のイメージとしてはダートのイメージが強い為、どちらかと言うと芝の方が穴になりやすいと言えるでしょう。
ただ、芝でもダートでもアベレージが高い訳では無いのが注意点と言える。そういった中で高い回収率をマークしているので、やはり穴党向きの種牡馬という見方も出来るでしょう。
決して買うチャンスの多いタイプの種牡馬では無いと思うので、状況に応じたり個体を見極める能力を購入側に求められる種牡馬と言えるでしょう。そういった意味ではある意味上級者向きな種牡馬という見方も出来るでしょう。
・適性距離は?
🔵2000m
着順 (4-4-2-32)
勝率 4勝 / 42レース = 9.5%
連対率 8連対 / 42レース = 19.0%
単勝回収率 4300円 / 42レース = 102%
🔴1200m以下
着順 (10-9-5-171)
勝率 10勝 / 195レース = 5.1%
連対率 19連対 / 195レース = 9.7%
単勝回収率 6880円 / 195レース = 35%
前述でも触れましたが、マインドユアビスケッツ自身はダートの短距離での実績が目立つ馬でした。産駒達も短い距離に適応した子が多いのでは無いかと見ていましたが、実際はそうでは無く、中距離での活躍が目立つ。
特に数字が良かったのが2000mという距離。2000mという距離はほとんどが芝での物ですが、そこも含めて現役時代のイメージとはまた違った同産駒の傾向と言えるでしょう。
ここではあえて2000mに絞っていますが、1800mや1700mなどのその付近の距離も悪く無く、中距離は無難に平均以上のアベレージが期待できると言えるでしょう。
前述でも触れたホウオウビスケッツやデルマソトガケらもこういった距離で活躍を見せている。
母方の血の影響もあるのでしょうが、マインドユアビスケッツ自身のイメージとは違うという感覚を持っておくのが良いという事が言えるでしょう。
・馬場条件は?
🔵ダートの重~不良
着順 (10-10-5-85)
勝率 10勝 / 110レース = 9.1%
連対率 20連対 / 110レース = 18.2%
単勝回収率 5700円 / 110レース = 51%
🔴芝の稍重
着順 (1-2-1-30)
勝率 1勝 / 34レース = 2.9%
連対率 3連対 / 34レース = 8.8%
単勝回収率 810円 / 34レース = 23%
基本的には前向きなスピードがあるのがマインドユアビスケッツの特徴と言える。(前述でそのイメージとは違う=中距離が良い、と述べたのでやや矛盾している所はありますが。)
そういった速力が活きるのか、ダートの中でもスピードを求められるシチュエーションは平均以上の数字を残している。
この辺りはマインドユアビスケッツ自身が持つBlushing Groomからくる闘争心なども影響していると思いますが、基本的には前向きさを活かした積極的な競馬がフィットするタイプだけに、そういった競馬が馬場と噛み合うという意味でも水を含んだ高速馬場が良いのだろうと感じます。
記載はしていませんが、芝でも良馬場(≒スピードを発揮しやすい条件)が平均以上に良い為、やはりスピードを活かせるかが馬場から見た上では重要なポイントになってくるだろうと思います。
反対に良くないのが芝の稍重という条件。シンプルに時計が掛かるタフな条件は割り引くべきなのだろうと思います。
ただ難しいのが”芝の重馬場”となると数字が良化するという点。
あくまで、産駒単体の馬場状態ベースで見たシンプルな馬場なので、もう少し考察すべきポイントではあるのですが、同産駒の中でも一定数のタフな馬場に強いタイプがいるのでその辺りの見極めも重要になって来るでしょう。
この点から見ても、やはり狙い目の難しい種牡馬だなと個人的には感じました。
・牝馬よりも牡馬?
🔵牡馬
着順 (42-36-35-401)
勝率 42勝 / 514レース = 8.2%
連対率 78連対 / 514レース = 15.2%
単勝回収率 53160円 / 514レース = 103%
🔴牝馬
着順 (21-25-12-341)
勝率 21勝 / 399レース = 5.3%
連対率 46連対 / 399レース = 11.5%
単勝回収率 40710円 / 399レース = 102%
何度も話に出て来ますがホウオウビスケッツやデルマソトガケを筆頭として、同産駒の賞金上位馬は牡馬が占めている。牝馬でいうと7位(8/22現在)のマルカラピッドがトップとなる。
どうしてもダートでもやれる種牡馬というイメージが強い分、明らかに牡馬優位のダート戦線での比較になる事が多い為、仕方が無い面は強いが、芝で見たとしても数字が上がって来ない背景を鑑みると、やはり牝馬は全体的に基礎的な能力面で劣っている個体が多いのだろうと感じる。
新馬戦や上級条件などを筆頭とした能力の差が出やすい条件では、牡馬>牝馬をより強く見て置くと良いかもしれません。
・新馬戦の相性は?
🔵新馬戦
着順 (8-11-5-108)
勝率 8勝 / 132レース = 6.1%
連対率 19連対 / 132レース = 14.4%
単勝回収率 23710円 / 132レース = 179%
新馬戦の数字も悪くない。
やはり前向きなスピードを発揮できるタイプですし、新馬戦向きの闘争心を持つ血統というのが大きいと思います。新馬からも能力を発揮しやすい血統である点は意識しておきたいポイントです。
他の条件と同様に穴を開けやすいタイプですので、安定して狙えるかと言うとそういう訳では無いのですが、人気が無くとも狙いやすいという意味では、情報量の少ない新馬戦でこそ買いやすい存在とも言えるかもしれません。
・ダート替わりで前進可能?
🔵未勝利戦×ダート
着順 (34-28-18-321)
勝率 34勝 / 401レース = 8.5%
連対率 62連対 / 401レース = 15.5%
単勝回収率 55160円 / 401レース = 137%
上記のデータはあくまで『未勝利戦かつダート戦』という条件で絞っているので、必ずしも『ダート替わり(芝→ダートへのローテーション)』という条件では無いのですが、特に2歳時の新馬戦は芝での番組が多く、そこからダートへの転戦という流れが多く見られる。
故に、未勝利戦のダートレースは他の階級や条件に比べても、『初ダート』というシチュエーションが多くなると言える。そういった中で、前述したダート戦での数値よりもアベレージが上昇しているという意味では、ダート替わりでも狙える可能性が高いのだろうと思います。
そもそも、芝もダートも問わないのが現状の強みと言えるので、条件替わりを他の種牡馬に比べて気にする必要が無いという捉え方も出来る。
そういった意味では、『ダート替わり』と言った条件でこそ買う価値が上がる下地があるのでは無いかと個人的には感じています。
・洋芝が好相性?
🔵函館・札幌×芝
着順 (4-3-1-30)
勝率 4勝 / 38レース = 10.5%
連対率 7連対 / 38レース = 18.4%
単勝回収率 1920円 / 38レース = 50%
日本で洋芝というと北海道の2コース。函館と札幌が上がりますが、ここの芝成績も同産駒の平均以上となっている。
洋芝というと基本的には欧州血統が強い傾向にあるのは当然の事ですが、そういった中でもダートでもやれるパワーが活きる背景もあり、ダート血統の洋芝適性も存外バカには出来ない。
先日に米3冠馬のJustifyの産駒であるシティオブトロイが欧州のG1である英インターナショナルSを圧巻のパフォーマンスでレコード勝利しましたが、これも適性関係的には近い事が言えるのではないでしょうか。
ちなみにこのシティオブトロイの父であるJustifyもマインドユアビスケッツもどちらも母父がAwesome Againの後継である事は一つの共通点と言えるでしょう。
また現に、今年はホウオウビスケッツが函館で行われた函館記念を制し、同馬が同産駒の中央重賞を初勝利。洋芝適性の高さは評価すべきレベルにあると感じます。
更に、前述の牡馬優位のデータと照らし合わせると、、、
🔵函館・札幌×芝×牡馬
着順 (4-1-0-10)
勝率 4勝 / 15レース = 26.7%
連対率 5連対 / 15レース = 33.3%
単勝回収率 1920円 / 15レース = 128%
となり、サンプルは少ない物の、アベレージや回収率が大幅に良化してくる。
この条件に関しては人気馬が多いのですが、買う価値のある条件の一つとして評価して良い条件だと感じます。
今年の札幌開催も残り少ないですが、来年以降も覚えておきたいデータの一つとしておきたい所です。
・相性の良い血統は?
🔵ノーザンテースト
理由は至ってシンプルで、マインドユアビスケッツの主成分でもあるVice Regentと相性が良いから(Vice Regent≒ノーザンテースト)というのが大きい。
前向きなスピードに加えて、淡泊になりすぎないように独特なパワーやタフさを助長してくれる点でも非常に噛み合わせが良いだろうと感じます。
前述で軽く触れましたが、一定数のタフなシチュエーションで対応できる個体はこのノーザンテーストを内包している事が多いとも感じます。
また、前述で牝馬が良くないと言った旨に触れましたが、このノーザンテースト内包型からは牝馬の勝ち上がり馬が多く出ているのも特徴の一つと言えるでしょう。(マルカラピッド、ツインクルトーズ、フィンガークリック、クイーンオブソウルなど)
例外が発生するという意味でも、この配合の底力の高さや相性の良さを感じる。今後も注意深く見るべきポイントですし、個体を見比べる際にも役立つポイントかなと思います。
次点でHail to Reason系と言う意味で相性が良いサンデーサイレンスも挙げておきたいと思いますが、これは反対にサンプル数が多く、かなりの馬がこの組み合わせに該当してくるので、ある意味基本的な配合とも取れる。
最低条件、もしくは第1条件的な見方として捉えておきましょう。
✅マインドユアビスケッツ産駒 まとめ
・芝もダートも大差が無い。
・意外にも中距離(主に2000m)の活躍が目立つ。
・基本的にはスピードを発揮しやすい馬場が〇。
・牝馬>牡馬
・新馬戦からも評価可能。
・ダート替わりが狙い目。(もしくは未勝利戦のダート)
・洋芝である札幌や函館の芝が狙い目(特に牡馬)
・ノーザンテースト内包に注目。
✅マインドユアビスケッツ産駒 注目産駒
・リュクスビスケッツ
リュクスビスケッツ (Luxe Biscuits) | 競走馬データ – netkeiba リュクスビスケッツ (Luxe Biscuits)の競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭以 db.netkeiba.com
正直POG人気などは皆無で、現状の情報もほぼ無いノーマークな馬ですが、血統自体は非常に面白い。
好相性なノーザンテーストを内包するダイワメジャーが母父で、この産駒ではあまり良くない牝馬ではある物の、牝馬でも問題無い血統をしている。
祖母のリリーアメリカの全姉にはあのリスグラシューの母であるリリサイドがいる良血馬。
米国指向なスピードを邪魔しない程度のスピードはありつつ、欧州方面のタフな要素もしっかりと内包する事でバランスの良さも感じる並びになっている。
隠れ良血馬と言う点でも評価し注目したい1頭です。
本日は以上になります!
最後までご覧頂きありがとうございました❕🔥