【大吉の種牡馬辞典Vol.4】 ミッキーアイル編

コラム

こんばちわ!

今週は血統コラムの第4弾です!
夏競馬の間の隔週企画にはなると思いますが、第1~3弾に引き続きお付き合いの程よろしくお願い致します❕

今週はミッキーアイルについて触れて行きたいと思います。
今回このミッキーアイル産駒について焦点当てて調べてみると、意外な面も多く出てきていたので、その辺りも紹介して行ければと思います!

それではよろしくお願い致します❕🔥

✅ミッキーアイル産駒 基本情報

着順  ( 160-181-132-1377)
勝率   160勝 / 1850レース = 8.6%
連対率   341連対 / 1850レース = 18.4%
単勝回収率   123830円 / 1850レース = 66%

ミッキーアイル自身は父がディープインパクト、母父がDanehillの後継に当たるロックオブジブラルタルという配合。母はダートの短距離で2勝を挙げたスターアイル。祖母がフランスの2歳G1で2着の実績があるアイルドフランスという血統馬で、母方を辿るとステラマドリッド~My Bupersと言ったスピードに富んだ牝系出身で、同牝系にはアエロリットやラッキーライラック、ハーツクライなどのG1がいる名牝系出身の良血馬です。
Domino血脈由来のスピードが活きた牝系出身であり、更には3/4Northern Dancer系∔1/4非Northern Dancer系という好形の配合になっており、母方の実績を含めて見てもスピードが非常に活きた並びになっている。中距離型も多いディープインパクト後継の中でも前向きなスピードが強調された血統構成と言えるでしょう。

現役時代はNHKマイルCなどマイルG1を2勝しており、短距離G1でも2度の2着がある。基本的には逃げ・先行で前向きなスピードを活かす事で力を発揮しており、血統的な特徴でもある類まれなスピードを活かして実績を積んだ1頭と言えるでしょう。
ディープインパクト産駒の実力馬の中でも短距離~マイルに適性が寄った稀有な存在と言えるでしょう。

産駒達も短距離を中心に目立った活躍しており、中でもナムラクレアやメイケイエールは芝の短距離を中心に活躍。重賞もそれぞれ複数勝利しており、産駒の筆頭格と言える。
今年にウィリアムバローズがダート重賞を制しており、産駒の活躍の場も徐々に広がりつつあり、今後も注目すべき種牡馬の1頭と言えるでしょう。

✅ミッキーアイル産駒 各種データ

・芝orダート?

🔵ダート成績

着順   (82-86-59-654)
勝率   82勝 / 881レース = 9.3%
連対率   168連対 / 881レース = 19.1%
単勝回収率   61970円 / 881レース = 70%

🔴芝成績

着順   (75-91-72-708)
勝率   75勝 / 946レース = 7.9%
連対率   166連対 / 946レース = 17.5%
単勝回収率   60400円 / 946レース = 63%

あくまでもアベレージベースの数字比較になってしまいますが、意外にもダートの方がハイアベレージをマークしている。
ミッキーアイル自身は芝で実績を積んだ種牡馬でしたので、この点は少し意外なポイントだったと言えるでしょう。

推測にはなりますが、前述もしているように前向きなスピードに富んでいる種牡馬ですので、そういった前向きな速力が活きやすい意味でダートのレースでも(特に短距離)数字を残せているのかなと感じます。

重賞の勝ち星こそ、ほとんどが芝での物ではありますが、前述したように、ウィリアムバローズを始めにデュアリストなどの交流重賞で実績ある馬や、ナムラフランクやライツフォルなどのようにダートでOP入りした馬も出ており、探ると意外とダートでも実績馬は出てきている。
そもそもダート戦線(特に短距離)は中央では番組数が手薄で地味な印象も多い為、致し方が無い所もあるか。

イメージ以上にダートでもやれる点はミッキーアイル産駒を見極める上でも抑えておきたいポイントと言えるでしょう。

・適性距離は?

🔵1800m

着順   (21-28-16-143)
勝率   21勝 / 208レース = 10.1%
連対率   49連対 / 208レース = 23.6%
単勝回収率   19100円 / 208レース = 91%

🔴2100m以上

着順   (1-0-0-12)
勝率   1勝 / 13レース = 7.7%
連対率   1連対 / 13レース = 7.7%
単勝回収率   2190円 / 13レース = 168%

こちらもやや意外な結果になったのが、最も安定して高い数値を出していたのが中距離にも該当してくる『1800m』というカテゴリー。(芝・ダート両方)
何度も触れていますが、ミッキーアイル自身は短距離~マイルで活躍していた馬だけに、短距離やマイルよりも1800mの数字が良かったのは意外な結果に感じます。

短距離やマイルのカテゴリーが悪い訳では無く、芝やダートなども問わずに全体的に安定した数字ではあるのですが、やはり人気になりやすく回収率も伸びにくい傾向がある。
それに比べると1800mではミッキーアイル自身が活躍していた距離よりも長めのイメージが強い事もあってか、中穴~二桁人気の好走も見られる。現に単勝の回収率も91%と高めを記録しており、買う価値のある条件のように思います。

恐らくではありますが、芝もダートもスピードの持続力を問われやすいレース質になりやすいのが1800mの特徴でもあるので、この辺りが前向きなスピードを持つ同産駒にとってプラスに働いているのでは無いかと感じます。

反対に苦手としているのが2100m以上と言う条件。

とは言いつつ、唯一の2100mという条件である”東京ダート2100m”という条件でまだ出走が無いので、実質2200m以上という条件にはなりますが、やはり中距離以上のカテゴリーでは芝・ダート共に数字を落とす印象が強い。

勝ち星が無い訳では無いですが、穴馬が勝利した事もあり、回収率が上振れているだけのように感じる。ミッキーアイル自身の血統を加味しても、狙うのは他に相当な買い要素が無い限りは避けるのがベタのように思います。

・馬場条件は?

🔵ダートの重~不良

着順   (20-21-8-124)
勝率   20勝 / 173レース = 11.6%
連対率   41連対 / 173レース = 23.7%
単勝回収率   10190円 / 173レース = 58%

🔴芝の稍重~不良

着順  ( 15-21-17-181)
勝率   15勝 / 234レース = 6.4%
連対率   36連対 / 234レース = 15.4%
単勝回収率   13250円 / 234レース = 56%

これは大方のイメージ通りな印象に落ち着いた結果となりましたが、やはり強いのは前向きなスピードを活かせる水を含んだ速いダートは強い。
中でも一定以上に水を含んだ重馬場以上のダートに絞るとアベレージが大きく上昇しています。これは稍重の段階では量よりの割と乾いた馬場も含まれる場合があり、その際はあまり恩恵が受けられない故に、重馬場以上が良いという事になるのかなと感じます。

ちなみに距離を問わずにの傾向になりますので、速いダートでは積極的に狙って行って良いかなと思います。

反対に不得手なのが重い芝。
中には、ナムラクレア(重馬場と不良馬場の高松宮記念で2度の2着など)などのように重い馬場でも高いパフォーマンスを発揮できる個体ももちろんいますが、全体的な傾向としては数字を落としているのが現状。
基本的にはスピードを信条としている馬ですので、スタミナやタフさを求められる事になる重い芝は苦手としていると言えるでしょう。

ただ、前述の通り、重馬場が問題無い個体もいるのも事実。(まぁ他の同じような傾向を持つ種牡馬もそうなのですが、、、)
ミッキーアイル自身の中に、重い馬場でもやれるような要素があるので(具体的にはNureyevやBe my Guest、Danehillなど)、その辺りが強調されている例などは重い馬場でもやれる可能性が高いように感じる。この辺りは血統において予想を差別化しやすいポイントでもあるので、余裕がある方は狙ってみるのも手かなと思います。

その上で、重い芝で買う際は慎重になるのがベタかなと思います。

・新馬戦との相性は?

🔴新馬戦

着順   (10-21-15-167)
勝率   10勝 / 213レース = 4.7%
連対率   31連対 / 213レース = 14.6%
単勝回収率   12570円 / 213レース = 59%

お世辞にも新馬戦の数字は芳しくない。平均から見ても劣る数字になってしまっているので、積極的には狙い辛い条件になってしまっていると言えるでしょう。

原因としては、芝やダート、距離を問わずに新馬戦では前半が緩いスローペースのレースになりやすく、上がり重点のレースである所謂瞬発力勝負になりやすい事が原因のように思います。

何度も述べているように、基本的には前向きなスピードを活かして前半からスピードを発揮するようなレースを得意としているタイプだけに、後半勝負なるレースはあまり得意としていないと言える。
血統的には仕上がりも早そうなので、早期からも十分動ける下地があるのですが、そういった理由で新馬戦ではやや数字を落としていると言えるでしょう。

新馬から同産駒を評価するのは慎重になるべきと言えるでしょう。

・上級条件が狙い目?

🔵1勝クラス以上

着順  ( 87-89-62-567)
勝率   87勝 / 805レース = 10.8%
連対率   176連対 / 805レース = 21.9%
単勝回収率   62090円 / 805レース = 77%

🔴未勝利未満

着順  ( 73-93-71-817)
勝率   73勝 / 1054レース = 6.9%
連対率   166連対 / 1054レース = 15.7%
単勝回収率   61740円 / 1054レース = 58%

先ほどの新馬はイマイチという話にも繋がってきますが、上級条件(ここでは1勝クラス以上とする)の方が全体的なアベレージなどは高い。

先ほどの逆で、スローペースのレースが多くなりがちな新馬戦や未勝利戦などに比べて、前半からスピードを発揮する事を求められるシチュエーションが多くなる事がミッキーアイル産駒にとってはプラスになるのだろうと感じます。

特に、上級条件になった時のペースのギャップが大きい芝のレースはこの上昇度が大きく、より狙いやすい案件になっているだろうと感じます。(下記参照)

*1勝クラス以上(芝)

着順 46-38-31-247
勝率 46勝 / 362レース = 12.7%
連対率 84連対 / 362レース = 23.2%
単勝回収率 33620円 / 362レース = 92%

どうしても昇級後は能力的に通用するかどうかや、上級条件のペースなどに慣れていない中で対応できるかどうかも、予想をする上でポイントになると思いますが、そういった状況下でも狙いやすい種牡馬と言えるでしょう。

・相性の良い血統は?

🔵Hail to Reason系(主にRoberto系)

現状の同産駒の収得賞金上位4頭がRobertoを内包している。(ナムラクレア、メイケイエール、ウィリアムバローズ、ララクリスティーヌ)あくまで賞金上位帯レベルの話になってしまいますが、強調されている特徴としてあげて置きたいポイントです。

恐らくではありますが、ミッキーアイル自身がかなりスピードに富んだ馬だった事もある為、ある程度パワーや耐久性などを補ってあげる方がバランスが良くなり持ち味が出やすいのだろうと思います。
特に、この手の配合タイプはミッキーアイル自身が活躍していたカテゴリーで活躍するタイプも多いので、ミッキーアイルらしい子が多くなりやすい配合パターンとも言えるでしょう。

そのRobertoと同様に相性の良さを見せるのがそのRobertoの父でもあるHail to Reason系全般。
サンデー系全般ももちろん良いのだが、個体数が多くピンからキリまで多い。それ以上に、そのサンデーを通さないHalo系(Debil’s Bag~タイキシャトルなど)やHaloを内包(シングスピール、Machiavellianなど)する血統がより好相性と言える。

また、Northern Dancer系全般との相性もいいので、基本的には相手を選ばない良さがそもそもある点も挙げておきたい。
母方の血統に左右されずにスピードをしっかりと伝える事が出来るのがミッキーアイルの種牡馬としての良さと言えますし、その上で、相性が良いのがRoberto系を主としたHail to Reason系と言えるでしょう。

✅ミッキーアイル産駒 まとめ

・イメージ以上にダートでやれる。
・意外にもベストは1800m付近。短距離~マイルも悪くは無い。
・水を含んだ速いダートが◎。
・新馬戦は△なので慎重に。
・上級条件になるほど有利になりやすい。
・基本的になんでも相性が良いがRoberto系との相性が特に◎。

✅ミッキーアイル産駒 注目産駒

・ジューンシルフィアの2022

ジューンシルフィアの2022 | 競走馬データ – netkeiba ジューンシルフィアの2022の競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭以上の競走馬、騎手・調教 db.netkeiba.com

せっかくなので、これからデビューする1頭で血統的に注目してみたい1頭を。

母ジューンシルフィア、祖母オールブランニューと共に短距離で勝利を挙げており、一族にはダート重賞を制した馬もいる血統馬。
好相性として挙げた”サンデー通さないHalo”や”Roberto”を内包しており、父らしいタイプに仕上がりそうな点を見ても、父と同様に短距離~マイルでのスピード勝負で力を発揮しそうな1頭と言えるでしょう。

まずはデビューしてくれるかどうかという段階ですが、血統的にはかなり注目できる1頭と睨んでいます。

・ワンザストリー

ワンザストーリーの血統表 | 競走馬データ – netkeiba ワンザストーリーの血統表の競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭以上の競走馬、騎手・調教師・ db.netkeiba.com

未デビューの2歳馬からもう1頭。

母の半兄にはオーストラリアの重賞を制しているPaths of Gloryがいる血統馬。母方を辿るとドイツや英国などを経由した重めの血統を内包する欧州ルーツの牝系出身です。

Danehillのクロスを持ち明らかにスピードに富んだ並びになっている。更に、母方にミッキーアイルと相性が良いサンデーを通さないHaloのクロスを内包しており、そこに親和性の高いRed Godを内包(Halo≒Red God)しており、全体的にバランスや完成度がしっかりとしている血統構成に感じます。

同馬もスピードを活かせる舞台での活躍が期待できるタイプに感じますし、その上で、距離や馬場に融通性を感じる点から、様々な舞台への対応に期待が持てると言えるでしょう。

この馬もデビュー出来るかどうか、という段階ではありますが面白さのある1頭としておきたいと思います。

本日は以上になります!

最後までご覧頂きありがとうございました❕🔥

この記事を書いた人

血統をメインに予想をしております。
重賞レースの血統解説など、血統に関するコラムも書かせて頂いております。
好きな血統(配合)はTom Fool≒Flaming Page∔Businesslike≒Revokedです。(笑)

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