【大吉の種牡馬辞典Vol.3】 ニューイヤーズデイ編

コラム

こんばちわ!

今週は血統コラムの第3弾です!
夏競馬の間の隔週企画にはなると思いますが、第1弾、第2弾に引き続きお付き合いの程よろしくお願い致します❕

今週はニューイヤーズデイについて触れて行きたいと思います。
先週のブリックスアンドモルタルと同様に昨年に産駒デビューしたばかりで今年がまだ2世代目の産駒が出始めている段階。まだまだサンプルの少ない中ではありますが、個人的には狙い時が明確なのでかなりお世話になっている種牡馬の一つです!
そのニューイヤーズデイ産駒の買い時などを解説して行ければと思います。

それではよろしくお願い致します❕🔥

✅ニューイヤーズデイ産駒 基本情報

着順 43-37-36-266
勝率 43勝 / 382レース = 11.3%
連対率 80連対 / 382レース = 20.9%
単勝回収率 44380円 / 382レース = 116%

*7/14現在

ニューイヤーズデイ自身は父がMachiavellianの後継に当たるStreet Cry、母父がNorthern Dancer系の中でも米指向なスピードを持ち合わせるDixie Unionという配合。半弟には米重賞を制しているMohaymenや米3歳G1を制しているShared Accountがいる血統馬で、母方を辿るとDomino血脈などのスピードを豊富に持つ米ルーツの牝系出身です。
Northern Dancerの母である名牝Natalmaのクロスを持っており、故にNorthern Dancer系やそのNatalmaと姉妹の関係にあるCosmahを母に持つHaloとの相性の良さが垣間見える並びになっており、バランスが良く比較的色んな事が出来る血統構成と言えます。
In RealityやTom Rolfeなどの締め上げるような血統もしっかり持っている分、字面的にも近親の実績的にも早期からの活躍が期待できる血統構成と言えるでしょう。

現役時は米BCジュヴェナイルフィリーズを勝利するなど早期から活躍しましたが、けがの影響もあり早々に引退。種牡馬としては日本での供養前に米G1・4勝しているマキシマムセキュリティなどを輩出するなど既に活躍。
ただ、米国での種牡馬入りから数年後ブラジルへと輸出されるなどもありましたが社台で購入され日本で供養される事となった。

早期からの活躍が見込める点や、様々な血統と相性が良く配合的に様々な事が出来る為、広い融通性や多くのカテゴリーでの活躍が期待できる種牡馬と言えるでしょう。

まだ産駒の重賞勝利などの明確な実績が無く、大物候補というような存在も出て来ていませんが、勝ち馬率が4割台に入っており、コンスタントに走れる馬を輩出しているタイプの種牡馬と言える。また、母方の質を考えれば十分評価できる数字と言えるでしょう。

ちなみに単勝回収率が116%という頭抜けた優秀な数字になっていますが、理由としては先日にカーリングホリデーと言う馬が未勝利戦で14番人気1着(単勝181.5倍)と大穴を開けている為、現状では上振れていると言えるでしょう。

✅ニューイヤーズデイ産駒 各種データ

・芝orダート?

🔵ダート成績

着順   (34-28-25-182)
勝率   34勝 / 269レース = 12.6%
連対率   62連対 / 269レース = 23.0%
単勝回収率   35490円 / 269レース = 131%

🔴芝成績

着順  ( 9-9-11-84)
勝率   9勝 / 113レース = 8.0%
連対率   18連対 / 113レース = 15.9%
単勝回収率   8890円 / 113レース = 78%

上記の数字比較で言うとダートの方がアベレージ自体はやや強いか。この辺りはニューイヤーズデイ自身が米国のダートのG1を制しているので、ある程度ダートに向いていくのは当然と言えるでしょう。
現状ダートの方が出走数も多いので、そういった中で数字と考えれば十分評価すべき数字と言えるでしょう。

ただ、芝でもそこまで数字が落ちている訳では無い。特に単勝回収率に関しては、前述した上振れている分(カーリングホリデー)の単勝額を抜いて比較すれば芝の方が単勝回収率は高いと言える。
(ダート単勝回収‐カーリングホリデーの単勝=64.5%
芝でも十分やれるだけのポテンシャルを見せていると言えるでしょう。

基本的にはダートでやれるタイプと見ておき、母方の血統などのタイプ次第で芝もやれるという解釈が一番しっくりくるだろうと思います。

・適性距離は?

🔵1400m(ダート)

着順   (11-10-7-46)
勝率   11勝 / 74レース = 14.9%
連対率   21連対 / 74レース = 28.4%
単勝回収率   6470円 / 74レース = 87%

🔴2200m以上

着順  ( 0-0-0-6)
勝率   0勝 / 6レース = 0.0%
連対率   0連対 / 6レース = 0.0%
単勝回収率    0円 / 6レース = 0%

大前提として、前述もしているように万能で融通性がある為、極端に苦手な条件や距離が少ない。あくまで傾向上にはなるが、どのカテゴリーや距離も幅広く対応できる事は覚えておきたい点と言えるでしょう。

その上で、最も数字が良いのはダートの1400mか。芝を含めても勝率13.8%の連対率25.5%なので、十分平均以上の数字を残していると言えるが、更に上を目指すならばダートに絞るのが得策と言えるでしょう。

特にダートに向いたタイプは同産駒の中でもスピードに富んでいるタイプが多いので、短距離向きのスピードを持ち合わせている個体が多いと言える。そういった傾向からもダートの1400mが最も好条件だろうと言えます。
ちなみに、ニューイヤーズデイ産駒で中央のOPクラス以上で唯一勝利しているのがこのダート1400mという条件で、バイオレットSにてエートラックスが勝利している。このエートラックスは地方の交流重賞も同様のダート1400mで制している。この点からも、同産駒が最も力を発揮しやすい条件である可能性が高いと言えるでしょう。

反対にまだ結果が出ていない条件が2200m以上。
ただ、まだサンプルが少ない事が最もな理由に感じますし、実際ダートの2100mや芝の2000mのレースでも勝ち星は出ている為、2200m以上の条件に対応してくる個体が出てくるのも時間の問題のように思います。

とは言え、芝2200mと言えば芝の中でもいわゆる非根幹条件と言われるような特殊な能力を求められる条件に当たる事が多いですし、芝2400mとなるとニューイヤーズデイ産駒が苦手にしそうな瞬発力勝負なるケースが多い。ダート2200m以上となるとローカルによくあるような2400m以上などがほとんどで、そもそも条件数が少ない。
距離の問題以上に乗り越える壁が多いのは確かですが、距離自体はこなせるという解釈が良いのかなと思います。

総じて、距離に関しても比較的多くの条件で対応できると言えますし、極端な特殊条件でない限りは基本的に苦手条件が少ない種牡馬と言えるでしょう。

・馬場条件は?

🔵ダートの稍重~重

着順   (12-10-6-55)
勝率   12勝 / 83レース = 14.5%
連対率   22連対 / 83レース = 26.5%
単勝回収率   6320円 / 83レース = 76%

🔴ダートの不良

着順  ( 0-3-0-6)
勝率   0勝 / 9レース = 0.0%
連対率   3連対 / 9レース = 33.3%
単勝回収率   0円 / 9レース = 0%

前述もしているように、基本的には広く様々なシチュエーションに対応できる種牡馬であると言える。馬場条件に関しても傾向的にはほぼ同じで、極端に苦手としている条件が少ないと言える。

その上で、最も高いアベレージをマークしているのがダートの稍重~重と
いう条件。

全体的な傾向的にはダートにやや寄ってはいますが、芝でもやれる万能性やスピードも兼ね備えているので、一定程度のスピードがしっかりと伝わる種牡馬であるとも言える。故に、ダートの中でもスピードを求められる事になるシチュエーションである稍重や重馬場の状況でも対応できるという事だろうと思います。

強烈にスピードがある種牡馬では無いので、不良馬場のダート程スピードを求められるようなシチュエーションになってしまうとやや力を発揮しきれないのだろうと思います。
とは言え、不良ダートに関してもサンプル数が少ない故と言うのが大きな理由である可能性もあるので、一概には言えない面もある。ただ、芝の高速馬場のような速い時計を求められるようなシチュエーションにあまり強くない傾向がある事からも、極端にスピードを求められるシチュエーションはあまり得意としていないだろうなと思います。

こういった傾向から、幅広い条件に対応出来ると言いつつも、得意としているのはミスプロ系らしく中間速的なスピードを求められる状況。具体的には少し湿ったダートや、やや時計の掛かる芝や乾き途上の芝と言ったシチュエーションだろうと感じます。

基本的には様々な状況で評価出来ますが、極端なシチュエーションになると評価をさげた方が得策かもしれません。

・新馬戦との相性は?

🔵新馬戦

着順   (6-13-10-46)
勝率   6勝 / 75レース = 8.0%
連対率   19連対 / 75レース = 25.3%
単勝回収率   8090円 / 75レース = 107%

先ほどから前述もしていますが”仕上がりが早い””早期からの活躍が期待できる”という点はニューイヤーズデイ産駒を語る上で外せないポイントでしょう。

その”早期からの~”という点において代表的とも言える条件の一つである新馬戦は同産駒をベタ買いすればプラスになると言う素晴らしい数字を記録している。
ちなみに、勝率・連対率・複勝率、などのアベレージに関しては芝もダートもほぼ同等レベルの好成績を残しているので、どちらに関しても狙える条件だろうと言えます。

前述で触れたような、極端な馬場状態でないなどのより条件が整った状況であれば、より効率良く狙えるだろうと感じる。
新馬戦に関しては今後に関しても積極的に手を出して良い条件だろうと思います。

・下級条件は狙い目?

🔵未勝利戦

着順   (30-18-18-162)
勝率   30勝 / 228レース = 13.2%
連対率   48連対 / 228レース = 21.1%
単勝回収率   30690円 / 228レース = 134%

🔴1勝クラス以上

着順   (7-7-8-64)
勝率   7勝 / 86レース = 8.1%
連対率   14連対 / 86レース = 16.3%
単勝回収率   5600円 / 86レース = 65%

先ほどの仕上がりが早く新馬向きと言う点とも繋がるが、現状では下級条件で買うべき種牡馬と言えるのも特徴の一つと言える。

これに関しては良くも悪くもある点ではあるが、現状は突出した大物のような存在がいない。重賞に関しては中央では出走数が2度と少なく、勝ち馬所か馬券圏内への好走も無い。交流重賞での好走はあるのですが、上級条件で活躍している個体はかなり少ないと言えるでしょう。

一方で、勝ち上がり率に触れると、基本情報でも触れたように4割台の数字を残しているように、母方の質を考えれば十分高い部類に位置する数字を残している。
このことからも、満遍なくそれなりの馬を輩出しているという特徴を併せ持つと言えるでしょう。故に、新馬や未勝利などの下級条件で狙うのが吉と感じます。

これを種牡馬として良いと捉えるか悪いと捉えるかは人によってしまうと思いますが、母を選ばないと言う意味で個人的には立派な特徴だと感じています。
母方の質の変遷についてはもう少し時間をかけて判断して行きたいですが、今後も下級条件では期待を置いて良いだろうと感じています。

・相性の良い血統は?

🔵Hail to Reason系

現状の同産駒の収得賞金上位15頭の内、12頭までが母父がサンデー系やRoberto系などのHail to Reason系に該当。残りの3頭に関しても、1頭は母母父がサンデー系、1頭はそのHail to Reasonの父であるTurn-to系の直系に当たる種牡馬が母父とあり、この系統との相性の良さが伺える。

ニューイヤーズデイの父系がHaloを内包するMachiavellianに当たるので、Haloを通す事になるサンデー系や同系統のRoberto系との親和性が出やすいのは当然と言えるでしょうし、むしろそこを期待されての導入だったとも言えるでしょう。

基本的にはどの系統でも問題無く力を発揮しやすい弱点の少ない血統ではありますが、その中でもサンデー系を中心としたHail to Reason系との配合馬は広く評価して損は無いでしょう。

・余談

ちょっとした余談になりますが、前述で取り上げている『カーリングホリデー』について少し触れておこうと思います。

前述でも触れていますが、6/9の未勝利戦にて14番人気1着、単勝は181.5倍を記録した大穴馬です。当時、私はこの馬に本命を打たせて頂き、ありがたいことに多く反響を頂けたのも嬉しく思いました。
では、そのカーリングホリデーになぜ本命を打てたのか、を簡潔にではありますがせっかくなので軽く触れて行きたいと思います。

もちろん、ハマった事や運が向いた事も大きいとは思います。その上で、『下級条件(未勝利)であった事』、『母父がシンボリクリスエス(Hail to Reason系)であった事→故に大箱向きの可能性が高かった事』『更に母母父がサンデー系であった事』『新馬戦では短距離を使い上がり上位の脚を使っていた事から、本来は短い距離の方が良かったタイプだと感じた(今回は距離短縮ローテ)事』などが主な理由になります。
血統以外でも『差しが効きそうな展開が見込めた』『差し脚を使える素養を前走以前で見せていた点』などもある。

この点を踏まえても、4戦連続で1秒以上負けている同馬を買えるかどうかと言われると、自分でも同じ予想が出来るか分かりませんが、あくまで血統に全振り出来たのも大きいです。
血統力を身に着ければこういった予想も出来ますし、自身としてもこういった予想が常に出来るようになりたいなと思うばかりです。皆さんにもそういった予想をしてもらえるように、これからも情報発信をしていきたいな思っております。

✅ニューイヤーズデイ産駒 まとめ

・芝ダートどちらも良いがどちらかと言うとダート向き
・1400mが最も最適だが、短距離~中距離まで幅広く対応
・極端にスピードを求められる馬場じゃなければ広く対応可能
・新馬戦から買うべき種牡馬である
・新馬戦だけでなく、下級条件でも買うべき種牡馬
・サンデー系やRoberto系などのHail to Reason系と好相性

✅ニューイヤーズデイ産駒 注目産駒

・ソルナシエンテ

ソルナシエンテ (Sol Naciente) | 競走馬データ – netkeiba ソルナシエンテ (Sol Naciente)の競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭以上の競 db.netkeiba.com

母のギーニョはダート戦線で活躍したサイレントディールやエリザベス女王杯などを制した名牝トゥザヴィクトリーの全妹に当たる良血馬で、祖母が名牝フェアリードールという血統。

母父がサンデーサイレンスなので、相性の良い血統に当たりますし、名牝出身という血統背景も秀逸。
特に、同一族の傾向として、芝でもダートでも一流馬を輩出しており、これが芝ダートどちらも対応できるニューイヤーズデイ産駒との噛み合わせも良い印象。

現3歳世代の同産駒は名牝系出身、のような素晴らしい血統背景を持った個体が少なかった印象もありますが、現2歳世代の同産駒でも屈指の名牝系出身という良血具合に期待できる1頭としています。

本日は以上になります!

最後までご覧頂きありがとうございました❕🔥

この記事を書いた人

血統をメインに予想をしております。
重賞レースの血統解説など、血統に関するコラムも書かせて頂いております。
好きな血統(配合)はTom Fool≒Flaming Page∔Businesslike≒Revokedです。(笑)

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