【大吉の種牡馬辞典Vol.2】 ブリックスアンドモルタル編

コラム

こんばちわ!

今週は血統コラムの第2弾です!
夏競馬の間の隔週企画にはなると思いますが、先週に引き続きお付き合いの程よろしくお願い致します❕

今週はブリックスアンドモルタルについて触れて行きたいと思います。
昨年に産駒デビューしたばかりで今年がまだ2世代目の産駒が出始めている段階である為、まだまだサンプルの少ない中ではありますが、同産駒の買い時などを解説して行ければと思います。

それではよろしくお願い致します❕🔥

✅ブリックスアンドモルタル産駒 基本情報

着順   (38-33-40-342)
勝率   38勝 / 453レース = 8.4%
連対率   71連対 / 453レース = 15.7%
単勝回収率   20420円 / 453レース = 45%

*7/7現在

ブリックスアンドモルタル自身は、父がStorm Cat系の中でも芝実績のあるGiant’s Causeway、母父がStorm Birdの後継に当たるOcean Crestという配合。母がフランスの芝中長距離重賞で好走実績のあるBeyond the Wavesという血統馬です。欧州実績のある母方ではありますが、辿るとTeddyやDomino血脈などの米指向なパワーやスピードを助長している米ルーツの牝系出身です。
Storm Birdの3×3、ないしはStorm Cat≒Ocean Crest(Storm Bird×Bold Ruler∔Domino血脈(Peter Panのクロス同士)同士)という配合をしており、強めのインブリードが目立つ血統と言える。そういった背景からも本来は基礎スピードやその持続力が目立つ血統構成と言えます。

実績としてはペガサスWCターフやBCターフなど米国の芝G1を5勝し、エクリプス賞にも選出されている名馬。特にキャリア晩年にはG1を含めた7連勝をするなど活躍した一頭です。

Storm Cat系種牡馬ではヘニーヒューズやヨハネスブルグなどが有名ですが、その多くはダートや短距離等のスピードを問われるシチュエーションでパフォーマンスを上げるタイプが多いですが、同馬はそれらとは一線を画すような実績を上げており、Storm Cat系種牡馬の中でも異質な存在と考えて良いでしょう。
血統的にもスピード色が強い中で中距離に強さを見せる辺りは、血統と違う側面が出ているなとは思いますが、特に晩年は父の特徴が強く出たのかなと思います。

初年度から109頭の登録馬を出すなど多くの相手を集め、既に芝・ダート共に重賞ウィナーも輩出。(ゴンバデカーブース、イーグルノワール)期待度の高い種牡馬の一頭と言えるでしょう。

✅ブリックスアンドモルタル産駒 各種データ

・芝orダート?

🔵芝成績

着順  ( 29-27-24-240)
勝率   29勝 / 320レース = 9.1%
連対率   56連対 / 320レース = 17.5%
単勝回収率   13460円 / 320レース = 42%

🔴ダート成績

着順   (9-6-16-102)
勝率   9勝 / 133レース = 6.8%
連対率   15連対 / 133レース = 11.3%
単勝回収率   6960円 / 133レース = 52%

上記の数字比較で言うと芝向きの面がやや強いか。この辺りはブリックスアンドモルタル自身が芝G1を勝っているのでそこまで不思議ではないと言えるでしょう。

ただ、複勝率に目を向けると芝では25%、ダートでは23,3%とそこまで差が無い。ダートでも一定程度やれると見て良いだろうと思います。
加えて、イーグルノワールが地方の交流重賞を制し、交流G1を2着と好走。更にアンモシエラが交流重賞を制して南関クラシックで活躍した事からも、ダートが悪い訳では無いだろうと思います。
この辺りはダートでも実績を残しているStorm Catという系統の力が働いている印象を持ちます。

数字的には芝が良いとは思いますが、そこまで固執せず個体によって評価すべきなのでは無いかと個人的には思います。

・適性距離は?

🔵1600m

着順  ( 10-8-9-71)
勝率   10勝 / 98レース = 10.2%
連対率   18連対 / 98レース = 18.4%
単勝回収率   6050円 / 98レース = 61%

🔴1200m以下

着順   (3-4-5-39)
勝率   3勝 / 51レース = 5.9%
連対率   7連対 / 51レース = 13.7%
単勝回収率   850円 / 51レース = 16%

ブリックスアンドモルタル自身、制したG1は全て1800m以上、特に晩年には2400mのBCターフを制している点など、中距離馬のイメージが強いと言える。
ただ、現状の実績としてはマイルが最も数字上はフィットしているか。

初めて同産駒が制した重賞も、ゴンバデカーブースが制したマイルのサウジアラビアRCだった。このことからもマイルが最も力を出せる可能性が高いと言えるでしょう。

前述もしているように、ブリックスアンドモルタル自身は中距離での実績があるが、血統自体はスピードに富んでいるため、産駒のアベレージで見るとマイルに傾向が寄って行くのは理解が出来る。
今後もしばらくはマイルでの数字が高い傾向は続いて行くだろうなと個人的には思います。

ただ、過剰にスピードを求められるとも言えるスプリント路線ではやや数字を落としている。この辺りは元が中距離実績あるタイプという側面が強いのだろうと思います。

ちなみにではありますが、条件を”マイル以上”にしてみるとアベレージ的にはほぼ平均の数値に落ち着く。(勝率8.4%、連対率16%)
少し話が飛ぶが、南関クラシックでアンモシエラが活躍したことも考慮すべきで、そういった点からも基本的にはマイル以上で買う価値が出る種牡馬と言えるでしょう。

・特殊条件は?

🔵芝の稍重~重

着順  ( 8-5-3-50)
勝率   8勝 / 66レース = 12.1%
連対率   13連対 / 66レース = 19.7%
単勝回収率   3650円 / 66レース = 55%

🔴芝の不良

着順   (0-0-0-5)
勝率   0勝 / 5レース = 0.0%
連対率   0連対 / 5レース = 0.0%
単勝回収率   0円 / 5レース = 0%

以前から述べていますがStorm Catという系統は馬場融通が広いのも特徴の一つと言える。基本的にはダートや芝の中でも高速時計が求められるような馬場に強い系統と言えますが、一方である程度であれば湿った時計の掛かる芝でも対応できる馬場融通の広さがあると言える。
(この作用は母方に入った方がより強く出やすい傾向がある。)

ブリックスアンドモルタルの産駒達も割かしそういった傾向があり、稍重や重馬場の芝と言った多少時計が掛かる芝で産駒平均以上の数値を残しており、しっかりと強さを見せていると言えるでしょう。

ただ、サンプルが少ないという側面はありますが、一方で不良馬場程悪くなってしまうと、まだ馬券圏内への好走が無いのが現状。
不良まで悪くなってしまうと欧州方面のタフさを求められるので(主にノーザンテーストなど)ブリックスアンドモルタルの産駒がカバーできる領分では無くなってしまうと言うのが強いだろうと思います。

もちろんサンプル数が少ないのでただ単に下振れているだけの可能性ももちろんあります。ただ、血統背景を鑑みれば不良程重い芝になればパフォーマンスが下がる可能性が高いと言えるのでこの数字も納得が出来る。

芝で不良まで悪くなれば軽視すると言うのが馬場基準で見た時のおすすめムーブと言えるでしょう。

・仕上がり早い傾向が?

🔵2歳時

着順   (17-15-15-117)
勝率   17勝 / 164レース = 10.4%
連対率   32連対 / 164レース = 19.5%
単勝回収率   9920円 / 164レース = 60%

🔴3歳時

着順   (21-18-25-225)
勝率  21勝 / 289レース = 7.3%
連対率   39連対 / 289レース = 13.5%
単勝回収率   10500円 / 289レース = 36%

まだ今年デビューの2歳を含め2世代しか走っていないですが、現3歳世代で言えば2歳時の方が数字がわずかに高い。この辺りは米国産種牡馬らしい仕上がりの早さが数値に出ていると言えるのでしょう。ブリックスアンドモルタル自身は晩年に入って本格化しましたが、産駒自体は2歳などの早期からでも買う価値があると言えそうです。

今年デビューし始めた2世代目の同産駒に関しても、既に(1‐3‐0‐5)とシーズンスタートの6月から好走機会が多く、仕上がりの早さを見せている。

実を言うと新馬戦でベタで評価出来るタイプの産駒では無い(勝率4.8%、連対率16.7%)ので、新馬戦から評価するかは慎重になるべきと言えますが、2歳戦全体で見れば評価して良いだろうと感じます。

少し話は変わりますが、個人的には晩期に一花咲かす可能性もあるだろうと感じている。
特にそういった晩成血統の一つでもあるノーザンテーストと相性の良さがある血統をしている(ノーザンテースト≒Storm Bird)為、ノーザンテーストを母方に持つ馬は晩期になって力を付ける可能性が高いのでは無いかとも思っています。
この辺りは仮定でしかないですが、ブリックスアンドモルタル自身がそうだった点などを考慮してもその可能性は十分にあるだろうと思う。その仮定が実証できるタイミングも個人的には楽しみにしていたい。

・相性の良い血統は?

🔵Roberto

現状、重賞(交流重賞含め)を制しているブリックスアンドモルタル産駒が収得賞金上位3頭(アンモシエラ、イーグルノワール、ゴンバデカーブース)になっているのですが、この3頭に共通しているのは母方にRobertoを内包しているという点。

ブリックスアンドモルタルの父であるGiant’s CausewayがRobertoを内包している為、Robertoのクロスが発生する事になる。

前述もしていますが、本来は基礎スピードに富んだ字面をしているブリックスアンドモルタルですので、スタミナやパワーや耐久性を助長するRobertoが強調される事で、弱点になりうる所を打ち消すような役割があるのだろうと予測します。

もう少し広げるとRobertoの父であるHail to Reasonとすれば、Halo系やサンデー系も該当してくる事になる。母父サンデー系や母母父がサンデー系という産駒達も比較的多く、それなりに走ってきているので、”サンデー系”が相性良い血統としても差し支えは無いかなと思います。
その上で、より有用な可能性が高いのはRoberto内包の血統馬だろうなと個人的にはしておきたいと思います。

✅ブリックスアンドモルタル産駒 まとめ

・馬場融通は広いがどちらかと言うと芝より
・基本的にはマイル以上で幅広い活躍が見込める
・ある程度であれば時計の掛かる芝も対応可能
・2歳時からでも高いパフォーマンスを発揮可能
・一方で、ノーザンテースト内包産駒に晩成の可能性が
・Robertoが好相性血統。次いでHaloやサンデー系が〇。

✅ブリックスアンドモルタル産駒 注目産駒

・クイックバイオ

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母は2歳時に阪神JF2着、以降も3歳秋に秋華賞2着、古馬になってからも重賞で好走してきており、3冠牝馬アパパネと同世代のNo.2的な活躍をしたアニメイトバイオという血統馬。

前述した母方にノーザンテーストを内包する1頭で、晩成の可能性がある血統馬と見ています。
現3歳世代ですが、秋以降の活躍も期待できる1頭と見ています。

ちなみに今週の土曜日に出走予定。
半年以上ぶりにはなりますが、条件も悪くないので個人的には期待しています。

・ホウオウサンサール

ホウオウサンサール | 競走馬データ – netkeiba ホウオウサンサールの競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭以上の競走馬、騎手・調教師・馬主・ db.netkeiba.com

母がダートで3勝を挙げたオメガフレグランスなので、半兄には交流G1を5勝しているオメガパフュームやOPクラス入りしているホウオウルーレットなどがいる良血馬です。

ブリックスアンドモルタル×母父ゴールドアリュール+Roberto内包という並びは今年の南関クラシックで活躍したアンモシエラと同じ並び。
まだデビュー前の2歳馬ですが、兄弟にオメガパフュームなどがいる背景からも、交流重賞での活躍も期待できそうな血統馬といえる。

6月生まれと、遅生まれなのがやや気になる点で、この産駒の仕上がりの早さを持ってしても間に合わない可能性はあるのですが、血統背景は良い物があると言えるでしょう。

本日は以上になります!

最後までご覧頂きありがとうございました❕🔥

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