こんばちわ!
今週から血統コラムの新シリーズ始動です!
夏競馬の間の隔週企画にはなると思いますが、お付き合いの程よろしくお願い致します❕
今週は先週亡くなってしまったロジャーバローズについて触れて行きたいと思います。
個人的にも19年日本ダービーで本命を打ち、良い思いをさせて頂いた思い入れのある1頭。まだまだサンプルの少ない中ではありますが、同産駒の買い時などを解説して行ければと思います。
それではよろしくお願い致します❕🔥
✅ロジャーバローズ産駒 基本情報
着順 (12–11–19–142)
勝率 12勝 /184レース = 6.5%
連対率 23連対 / 184レース = 12.5%
単勝回収率 9410円 / 184レース = 51%
*6/30現在
ロジャーバローズ自身は、父がディープインパクト、母父がDanzigの後継に当たるLibrettistという配合。祖母がCal Norma’s Ladyに当たるので近親にはドナブリーニ~ドナウブルー、ジェンティルドンナ(ロジャーバローズとは7/8同血)がいる良血馬。更に母方を辿るとBeau Darlingに当たるので、同牝系にはスーア~ソーマジック~マジックキャッスル・ソーヴァリアントなどがいる牝系出身。大箱コースやスムーズにスピードに乗れるシチュエーションに強い牝系出身の良血馬です。
英国ルーツの牝系出身ではありますが、Seattle Slewを含んだBold RulerやDanzigなど前向きな速力をしっかりと取り込んでおり、ディープインパクト産駒の中でもスピードに富んだ並びと言える。一本調子感を兼ね備えている為、大箱コースでスムーズにスピードを発揮できるようなシチュエーションに強いタイプの血統構成と言えます。
冒頭でも触れましたが、19年のダービーを12番人気93.1倍という大穴の立場ながら勝利。
内枠や前有利の高速馬場だった点など恵まれた所はありましたが、サートゥルナーリアなどの強敵を破っての勝利は実に印象的でした。このダービーを最後に引退し種牡馬入りとなりました。
この6月で2年目に突入する事もあり現状、種牡馬としてはまだ秀でた成績を残せていませんが、先日パラダイスSにてオーキッドロマンスが3歳ながら古馬相手にL競走を制しており、これからの飛躍も期待されるタイミングだったと言えるでしょう。
✅ロジャーバローズ産駒 各種データ
・芝orダート?
🔵芝成績
着順 (9–9–10–74)
勝率 9勝 / 102レース = 8.8%
連対率 18連対 / 102レース = 17.6%
単勝回収率 7000円 / 102レース = 68%
🔴ダート成績
着順 (3–2–9–68)
勝率 3勝 / 82レース = 3.7%
連対率 5連対 / 82レース = 6.1%
単勝回収率 2410円 / 82レース = 29%
この数字比較から見ても分かるように、完全に芝向きの種牡馬と言えるでしょう。芝G1馬と言う事もあり当然と言えば当然ですが、基本的には芝で買うべき種牡馬と言えるでしょう。
ダートでもからっきしという訳では無いので完全に切ったりする必要は無いと思いますが、ダートでは砂を被ったり揉まれたりした際のデメリットが特にこのロジャーバローズ産駒にはマイナスになりやすいのが大きく数字を落としている要因の一つかなと思います。もちろん根本的なダート適性も一端にはあると思います。
基本的には芝で評価し、ダートでは評価を落とす事で価値が高まると見て間違いないと思います。
・適性距離は?
🔵1400m
着順 (5–2–3–17)
勝率 5勝 / 27レース = 18.5%
連対率 7連対 / 27レース = 25.9%
単勝回収率 3270円 / 27レース = 121%
🔴1500m以上
着順 (5–9–15–108)
勝率 5勝 / 137レース = 3.6%
連対率 14連対 / 137レース = 10.2%
単勝回収率 2270円 / 137レース = 16%
現状ロジャーバローズ産駒が最も能力を発揮しているのは1400mという距離になります。
基本情報で挙げた、ロジャーバローズ産駒全体の数字と比較しても、それぞれ倍以上の数字を残しており、優秀な数字を残していると言えるでしょう。
日本ダービーを勝利しており、芝の中距離を中心に活躍したロジャーバローズ自身の成績から見れば、それよりも短い所で台頭を見せていると言えるでしょう。
ちなみにですが、1200m戦では先日にL競走を制したオーキッドロマンスが未勝利、カンナSと勝利した2戦しか勝ち星が無く、1600mまで伸ばしても数字を落としている結果なので、やはり1400mという距離が最も力が出しやすいのでは無いかと思います。
1400m戦は短距離戦のカテゴリーなのでスピードも求められますが、1200mに比べて溜めを作りやすい事や、大箱でスピードを発揮しやすいコースレイアウトが1200mに比べて多い事も要因だろうと思います。
ちなみに”芝の1400m”に限定するとアベレージは上がりますが、回収率自体は100%を切るので、1400m全体とさせて頂きました。とはいえ優秀な数字なので、基本的には1400mで、前項と合わせて芝ならばより期待、と言った感じで考えて頂ければと思います。
反対に1500m以上(基本的にはマイル以上のカテゴリー)になると、一転瞬発力を求められる事が多くなってしまい、持続的なスピードを発揮したい同馬にはやや合わなくなってしまうのだろうと感じます。
この傾向は特に下級条件ではなお出る印象なので、今の傾向に落ち着いている印象もあります。
もし今後上級条件に顔を出すような個体がいた場合はそういった高速持続戦的なシチュエーションになれば、マイル~中距離でも良い走りが臨める可能性は十分あるとしておきたいです。
ただ、現状としては1400m戦が狙い目で、それ以外の条件に関しては、そのほかの裏付けが無い限りは基本的には評価を落とす方向で良いのでは無いかと思います。
・特殊条件は?
🔵芝の稍重~不良
着順 (4–1–3–10)
勝率 4勝 / 18レース = 22.2%
連対率 5連対 / 18レース = 27.8%
単勝回収率 5130円 / 18レース = 285%
🔴ダートの稍重~不良
着順 (2–0–4–31)
勝率 2勝 / 37レース = 5.4%
連対率 2連対 / 37レース = 5.4%
単勝回収率 1910円 / 37レース = 51%
1400m戦で実績を残す=スピード馬という印象が強い事もありますが、重い芝でも数字を残しているのは個人的には少し意外でした。
ロジャーバローズ自身の血統に目を向けると英国牝系出身ではあるのでその点が活きているのかなとは思います。また、本質的にはもう少し長い距離をこなせる分も優位的に出ている可能性はあるかと思います。
もう一つの理由としては、前半からスピードを発揮するシチュエーションに強いタイプとも言えるので、少し発想を飛ばせばポジション確保能力や先行力が重い馬場と言う加速しにくいシチュエーションにおいて活きていると言う可能性もあるでしょう。
当然サンプルが少ない事や、オーキッドロマンスの存在が大きい事もあるので、単純に上振れているだけ、という可能性もある。過信しすぎも良くないかもしれませんが、数字通りに素直に評価しても価値のある案件かなと思います。
一方で意外だったのが重い水を含んだダートでの成績。シンプルに言えばスピードが出やすいので、数字が上がるかなと個人的に思っていましたがダート全体の成績から見てさほど差の無い数字に。
根本的にダートが合っていない可能性もあるとは思いますが、高速馬場=内の優位性が上がる=内で競馬できないと(揉まれる競馬が出来ないと)厳しい、というような理由もあると思います。
サウスヴィグラス産駒なんかも水を含んだダートで思うように成績が上がらなかったですが、同じような要因かなと思います。
総合的に見てダートではやはり評価を落とすべきと判断するのが基本になって来そうです。反対に芝ではイメージ以上に重い馬場でもやれる可能性があると言えるので、人気にもよるかもしれませんが、狙う価値はありそうです。
・枠での有利不利は?
🔵5~8枠(芝)
着順 (6–5–7–44)
勝率 6勝 / 62レース = 9.7%
連対率 11連対 / 62レース = 17.7%
単勝回収率 5350円 / 62レース = 86%
🔴1~4枠(芝)
着順 (3–4–3–30)
勝率 3勝 / 40レース = 7.5%
連対率 7連対 / 40レース = 17.5%
単勝回収率 1650円 / 40レース = 41%
結論、枠の内外では数字には大きく差が出なかったと言える。強いて言うなら外の方が単勝回収率や勝率が若干上回っており、勝ち切る可能性が現状はやや高いと言える。
可能性としては、外枠からスムーズに立ち回る方が、同馬の一本調子感や前向きなスピードを活かしやすい故にだろうと分析する。
この辺りはロジャーバローズ自身がDanzigを内包している影響が出ているのだろうかと思います。
ただ、前述にも触れたように数字が大きく変わる訳では無いので、明らかに”外枠が良い”とも言い切れない点ではある。
どちらかと言うと、前走以前で揉まれたりして能力を発揮できなかった馬の外枠替わりを狙うくらいのイメージで、そこまで特別視はしない程度の方が程よく好走馬を拾えるのでは無いかと思います。
・相性の良い血統は?
🔵Danzig系
例:オーキッドロマンス、サクセスカラー、ラムゼイテソーロ、ヨゾラノムコウニ
ロジャーバローズ産駒で勝ち上がった中央所属馬は8頭おります(内アルマーレシチーは地方で勝利)がその内4頭がDanzigを内包している。
中でもロジャーバローズ産駒筆頭とも言えるオーキッドロマンスに関しては、母方でもDanzigをクロスしており、血統全体で3本持つ血統構成をしており、ロジャーバローズの血統のキーとも言えるDanzigを活かすかどうかがポイントになっていると言える。
意外に勝ち上がり馬が少ないので、鵜呑みに出来る程のサンプルは揃っていないですが、1400m付近に実績が出ている→前向きなスピードや一本調子感を活かした方が良い→Danzig色が強調される方が良い、という理屈は理解できるし十分予測が立つ。
特に早期の段階から活躍できるかどうか、スピードを発揮できるかどうかにおいて重要な血統でもあると言える。今後も、現状得意としている1400m戦などで、傾向通りに活躍できるかどうかを判断する指標になると言えるでしょう。
母方にDanzigを内包し、Danzigが活きた血統になっているかどうかは注目したいポイントと言えるでしょう。
✅ロジャーバローズ産駒 まとめ
・芝>ダート
・1400m付近がベター。(上級条件であればもう少し長い距離でも良いか)
・重い芝は対応可能
・どちらかと言うと外枠が〇
・母方にDanzigを持つ馬には注目
✅ロジャーバローズ産駒 注目産駒
・オーキッドロマンス
オーキッドロマンス (Orchid Romance) | 競走馬データ – netkeiba オーキッドロマンス (Orchid Romance)の競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭 db.netkeiba.com
ここまでも何度か触れていますが、ロジャーバローズ産駒の現状の筆頭とも言える存在の1頭です。先日には古馬に交じってのL競走を勝ち上がり、OP入りも果たしている。今後1400m戦での活躍はもちろん、実績のある1200mやいずれはマイルでも活躍する可能性を感じている1頭です。
瞬発力勝負にならないか、スムーズに運べるかどうかがポイントになると思いますが、今後も評価できるポイントがありそうです。
・カウンターセブン
カウンターセブン (Counter Seven) | 競走馬データ – netkeiba カウンターセブン (Counter Seven)の競走馬データです。競走成績、血統情報、産駒情報などをはじめ、50万頭以上 db.netkeiba.com
全兄に中央で勝ち上がっているヨゾラノムコウニがいる血統馬。母父がDanzig系のWar Frontなので、前述したDanzigを母方に内包し、Danzigの3×4を持つ血統構成になっている。
好走血統に合致している面でも評価出来る1頭と言えるでしょうし、現在2歳ですが早期からの活躍も期待できる血統に感じます。
本日は以上になります!
もしこのシリーズでやって欲しい種牡馬のリクエストなどあれば、リプや引用で頂けますと幸いです!
最後までご覧頂きありがとうございました❕🔥